Mr.ウーの毎日がピーナッツ

落花生だよ人生は……♪

平成ってまだそんなだったよねって話

突然思い出した変な話


ウチの母ちゃん早いとこ運転免許は自分の金で取ったって自慢してんだけどいつまで経っても自分の運転に自信がないし、子どもの俺から見ても運転は不安そうな人だったのよ


運転するにしても余り遠出は出来ない、したくない人

近場の買い物やらお出かけなら車は出すけどどうしても場所は選んじゃう人

そんなに珍しくはないと思うけどそんな人だったのよね


だから必然遠出の時は運転は親父

まぁ親父も親父で偏屈で「俺がハンドル握ってる時は誰も寝てはならぬ」みたいなトゥーランドットみたいなおっさん。笑

まぁまたそんな親父の話はまた別の機会としてね


母ちゃんがなんか自分の実家に帰りたいって思ったらしく親父が仕事の日に俺と兄貴を連れ出したんだね

それで実家は遠いから電車で行こうって話になったのよ


俺らが住んでた地方は田舎過ぎてバス電車1時間2時間待ちは当たり前

そんなんだから過保護?なのか知らんが俺も兄貴も電車なんて乗ったことあるの数える程度

全部移動は自家用車

そんな地方だったのよ


出発までは俺も兄貴も多少なりとウキウキしてたうっすい記憶


切符買って乗り込んで


珍しい電車の車内にちょっと心踊ったのをコレまたうっすら覚えてる

勿論首都圏じゃありえないくらいのガラガラ具合

座席も特急電車みたいに向かい合わせの席ばっかり


選びたい放題の座席に母ちゃんの言うままに座ると兄貴と別に何喋る訳でもなく座ってた


電車は出発


そん時だったね

今でもよく覚えてる

「○×◇*≡々●;じゃろが〜」

信じられないくらいの大声が響いたんだよね


一気に俺も兄貴も顔を見合わせて怖くなって固まっちゃった


なーんか酒臭いなー

とは思ってたんだよね


分かりづらいから端的に言うと昼間っから酒に酔ったジジイが客に絡んでたんだよね無差別に

しかも同じ車両にいる


ただでさえ電車自体そんな乗った事のない俺と兄貴は震えて下向いてたね

怖すぎて


したらさどんどん寄ってくるんだよね酔っ払いジジイ

声が近くなってる


意を決して少しジジイの方見ると

今考えると訳わかんないけどそんな電車になぜか乗ってる若い姉ちゃんの隣に座って怯えるのみて喜んでる

本当クソ気持ち悪いし今だと考えられないけどそんな光景が繰り広げられてた


まだまだジジイは調子づきながらこちらへ寄ってくる

「あー怖い。こんなんなら電車なんかならなきゃ良かった…」

ずーっとこんな事考えてた思い出。笑


ジジイの足音が止まった

酒臭い


終わった


確実に俺らの向かい合わせ席に来てる……


ジジイは訳わかんない事口走ってる


怖すぎて何言ってる全く分からん


母ちゃんは全無視


怖くなってるけど

振り絞ってジジイを見てみた


………。


ジジイなぜか酔いが覚めたレベルの真顔してる


?????


たぶん兄貴も謎だったと思う

俺も謎


ジジイは唐突に口を開いた

その時のセリフが今でも忘れられん



「あんた林真須美じゃないんか?」

恐怖で一杯過ぎてあん時の気持ちは忘れられんがそのセリフだけしっかり覚えてるな。笑


母ちゃんは割としっかり目にそんな大声じゃなく

「違ういね!ええ加減にし!」

とあしらったけど何度かジジイは食い下がって

やっとそのあとどっかに消えていった……


今思い出してもイヤーな思い出。笑




なんでこんな話したかって言うとさ

最近の人でたまーに

やたらめったら

昭和は良かった

いや昭和は酷いから平成が…

みたいな事言う人いるけどさ


それを言っちゃうとさ

こういう酔っ払いジジイのくんだりが普通にあるっていう世界観理解して言ってんのかなってちょっと思っちゃう


なんの世界界隈にせよ

すこーしずついい方に向かってる

そう思った方が生きてて楽しい気はするけどねっていうお話